ペテルブルグは現在マイナス6℃です。雪が50センチぐらい積っていて、もし雪かきのサービスがなければ外を歩くことはできません。ロシアの公共サービスに感謝の気持ちを持たなければと思う日々です。
前回の更新から1カ月以上たってしまい。読んでいただいている皆様には大変ご迷惑をおかけしました。これからも是非ご愛読いただければ幸いです。
さて、あいかわらず朝9時半か11時から夜10時半まで、月から金の週6日のアカデミーの生活は続いています。おまけに日曜日は舞台を観にいったり友達のクラシックコンサートに行ったりで、本当に11月は更新できませんでした。
今日紹介しようと思っていることは身体行動・身体感覚の記憶の訓練です。たとえばマイナス30度の屋外から暖炉がある部屋に帰ってきて、その後何かを探して出ていくという練習があります。俳優はどこから来たのか、何のためにここに帰ってきたのか、これからどこへ行くのか自分で決めることができます。また、寒い屋外から帰ってきたのだからその感覚が残っていなければならないし、何か心配なことや嬉しいことがあればその感覚が身体に残っていなければなりません。たとえば人はある強い心理的な不安があると呼吸や行動が普段と変わってくるといったことです。この身体的行動・身体感覚の記憶の訓練はスタニスラフスキー・システムの基本的訓練として最も大切なことの一つです。なぜなら、身体行動・身体感覚の記憶が俳優と観客が劇的体験を共有する入口になるからです。
現在、演技の訓練ではエチュードにしても身体行動・身体感覚の記憶の訓練にしても、俳優がどこから来たのか、、何のためにここに居るのか、そしてこれからどこへ行くのかという課題を意識しておくことが重要です。この課題をマスターや助手が口にするたびに、ゴーギャンの絵画:
『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』(仏: D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?を思いだす。
最近観て印象に残った舞台は:
①チェーホフ作『33回の失神』オムスク国立第五劇場オレグ・ユーモフ演出、チェーホフ生誕150周年全ロシア演劇フェスティバル対決、バルトの家劇場
②チェーホフ作『かもめ。解釈の実験』ベラルーシ国立人形劇場(ミンスク)、アレクセイ・レリヤフスキー演出、チェーホフ生誕150周年全ロシア演劇フェスティバル対決、バルトの家劇場
③チェーホフ作『三人姉妹』大きくないドラマ劇場(ぺテルブルグ)、レフ・エレンブルグ演出、チェーホフ生誕150周年全ロシア演劇フェスティバル対決、バルトの家劇場
①はロシアの地方都市の演劇水準の高さを再確認させてくれた。
②は4幕のトレープレブとニーナの場面の前に他の役がすべて人間に戻って演じられ、トレープレブとニーナの場面のみが人形によって演じられた。人形劇が俳優の演技を昇華して孤高の水準にまでいくことを思い知らされた。
③は私の気になる演出家による舞台。オーリャとベルシーニン、イリーナやマーシャの役作りに大きな発見があった。
前回の更新から1カ月以上たってしまい。読んでいただいている皆様には大変ご迷惑をおかけしました。これからも是非ご愛読いただければ幸いです。
さて、あいかわらず朝9時半か11時から夜10時半まで、月から金の週6日のアカデミーの生活は続いています。おまけに日曜日は舞台を観にいったり友達のクラシックコンサートに行ったりで、本当に11月は更新できませんでした。
今日紹介しようと思っていることは身体行動・身体感覚の記憶の訓練です。たとえばマイナス30度の屋外から暖炉がある部屋に帰ってきて、その後何かを探して出ていくという練習があります。俳優はどこから来たのか、何のためにここに帰ってきたのか、これからどこへ行くのか自分で決めることができます。また、寒い屋外から帰ってきたのだからその感覚が残っていなければならないし、何か心配なことや嬉しいことがあればその感覚が身体に残っていなければなりません。たとえば人はある強い心理的な不安があると呼吸や行動が普段と変わってくるといったことです。この身体的行動・身体感覚の記憶の訓練はスタニスラフスキー・システムの基本的訓練として最も大切なことの一つです。なぜなら、身体行動・身体感覚の記憶が俳優と観客が劇的体験を共有する入口になるからです。
現在、演技の訓練ではエチュードにしても身体行動・身体感覚の記憶の訓練にしても、俳優がどこから来たのか、、何のためにここに居るのか、そしてこれからどこへ行くのかという課題を意識しておくことが重要です。この課題をマスターや助手が口にするたびに、ゴーギャンの絵画:
『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』(仏: D'où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?を思いだす。
最近観て印象に残った舞台は:
①チェーホフ作『33回の失神』オムスク国立第五劇場オレグ・ユーモフ演出、チェーホフ生誕150周年全ロシア演劇フェスティバル対決、バルトの家劇場
②チェーホフ作『かもめ。解釈の実験』ベラルーシ国立人形劇場(ミンスク)、アレクセイ・レリヤフスキー演出、チェーホフ生誕150周年全ロシア演劇フェスティバル対決、バルトの家劇場
③チェーホフ作『三人姉妹』大きくないドラマ劇場(ぺテルブルグ)、レフ・エレンブルグ演出、チェーホフ生誕150周年全ロシア演劇フェスティバル対決、バルトの家劇場
①はロシアの地方都市の演劇水準の高さを再確認させてくれた。
②は4幕のトレープレブとニーナの場面の前に他の役がすべて人間に戻って演じられ、トレープレブとニーナの場面のみが人形によって演じられた。人形劇が俳優の演技を昇華して孤高の水準にまでいくことを思い知らされた。
③は私の気になる演出家による舞台。オーリャとベルシーニン、イリーナやマーシャの役作りに大きな発見があった。
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