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ロシア、サンクトぺテルブルグで演劇の演出を学んでいます。ロシアの演劇学校の授業内容。さらに、ロシアを中心としたヨーロッパ演劇の現状についてお伝えします。
小説から即興でエチュードを創る
3月11日に発生した大地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方に心からお見舞い申し上げます。

日本で大地震が起こったので、ロシアの知人から日本の家族は大丈夫かとよく聞かれます。ロシア人の心の温かさを感じる日々です。私の家族は福岡に住んでいるので特に問題は無かったのですが、東北に住んでいる知人の安否が解らないので私も心配しています。

ペテルブルグは現在、0度です。日本では0度は寒いですが、ペテルブルグに住んでいると、0度はとても温かい気温なので「あぁ春だな」と春を実感します。

さて演劇学校の授業は、バレエ、発声、アクロバット、舞台動作、演技に2学期から声楽が加わりました。
声楽の授業では基本的な発声訓練とロシアの民謡みたいな曲を歌っています。私は2学期の途中から声楽の授業に出席し始めたので、まだこの民謡の歌詞をノートに書き写せていません。はやく友達に頼んで書いてもらわないと・・・。まだ、人が謡っている言葉をノートに完璧に書き写せるほどロシア語が完璧ではないからです。

さて、肝心の演技の授業では、1学期では以前ここに紹介した日常で自分が体験したり、観たりしたことを再現するエチュードに取り組んできました。2学期からは小説を読んで、その中から自分が体験したことのように、舞台上で再現した時に自分が生きることのできる場面を小説から選んで演じるというエチュードの課題に取り組んでいます。課題の小説は以下のものです:

①20世紀の小説で何らかの形で戦争と関係があるもの。できればロシアの小説がのぞましい。
②ショーロホフ作『静かなドン』
③ドストエフスキー作『カラマーゾフの兄弟』
④ドストエフスキー作『罪と罰』
⑤トルストイ作『戦争と平和』

①と④以外はすべて文庫本で5巻以上あるような大作なので読むだけでも大変です。
エチュードを演じる際に重要なことは自分が役を演じるのではなく、「もし自分がこの登場人物と同じ状況だったらどう行動するか考えて場面を生きること」です。つまり自分として場面の中で生きることが大切なのです。
条件は一人でなく二人以上の場面を演じることです。

注)エチュードとはフランス語の étudierから由来する言葉です。étudierの意味は「勉強する」、「練習する」等があります。つまりエチュードとは場面を学ぶという意味なのです。
 
現在行っている演技の課題であるエチュードは最低でも2年程は続くであろう課題なので、私もまだ言語による分析が追いついていない状況です。また言語化出来次第少しづつこのエチュードの課題についてはお伝えしたいと思います。

皆様、地震の被害で本当に大変な方もいらっしゃると思いますが、なんとか生きてください。私も日本にはいませんが地震で被害にあわれたかたの援助のために出来るだけのことはする所存です。

では今後もよろしくお願いします。
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とまってたとおもってましたけど、再開されましたね。
今後も楽しみにしています。
2011/04/04(月) 13:52:41 | URL | たかさき #JalddpaA [ 編集 ]
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