世界ではシリアでアサド政権の転覆を図る欧米とアサド政権を支持するロシアとの間の対立から泥沼の紛争が続いている。日本の政府は、現在も震災の復興が進んでいないにも関わらず、景気回復のための金融緩和に現を抜かしていた。このような世界の現状を映す舞台が興味深かった。鳥の劇場の『セールスマンの死』は現代のインターネット販売と酷似する通信販売の時代に旅回りのセールスマンを続け、資本主義社会の競争に敗れ崩壊する男とその家族を描いていた。現在の日本は後期資本主義にあたり、日本人は資本主義を抑制しあまり浪費しなくても生きていける生活を目指すべきだが、経済発展と大量消費を手放せずにいる。資本主義に翻弄される人間を描いたミラーの作品は現代の日本も驚くほど正確に映し出していた。さらに鳥取で地域に向き合いながら世界を視点に入れた活動を行う鳥の劇場はすでに築地小劇場と同じ水準の演劇的事件になっている。

１２月中旬から少し体調不良でしたが、少しずつ体力が回復しています。
やはりこの時々私を襲う体調不良は、イギリスで暴力を受けたことに関係している。

この社会は犯罪加害者の更生には関心をしめすが、被害者の回復には無関心である傾向がある。
いつも事件が起きると加害者だけが報道され、被害者は忘れられて、無視される。
そして被害者の回復は、被害者の気持ちの持ち方になってしまうのである。

おおくの犯罪や暴力被害者は社会の無理解に対して、声を閉ざしてしまう。
それが被害者の社会的孤立を生むという悪循環が生まれるのである。
そろそろ日本でも被害者の声を聴いて、どうやったら暴力や犯罪被害者を支援できるか社会が考える必要がある。

犯罪や暴力被害者がトラウマで重く傷つくのは被害者が弱いのが問題ではない。
すべての犯罪や暴力からの回復を被害者の責任にしていると、
被害者が社会に復帰できずに困るのは社会のはずである。

犯罪や暴力被害者支援を本気で考えることは、たとえ事件に巻き込まれてもそこから被害者が回復できる
柔軟性のある社会を生むはずである。

日本は犯罪や暴力被害者に対する社会的支援が遅れている。
このことは原爆症認定や水俣病被害者に対する社会の支援のおくれとも大きくつながっているはずである。

旧年中は大変お世話になりました。皆様のますますのご活躍を願っております。
今年もよろしくお願いします。